エコランドを運営する株式会社ウインローダー高嶋社長インタビュー

ドキュメンタリー映画『ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡』のスペシャル・パートナー、エコランドを運営する株式会社ウインローダー高嶋社長になぜ『ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡』のパートナーになったのかなどお聞きしました。

takashimaQ.エコ回収でリユース&リサイクルした品物は、50万個以上!」とのことですが、すごいですね!エコランドやウインローダーの事業内容を教えていただけませんか?

はい。
エコランドは、シンプルライフのご提案と、リユースを通して、お客様の生活をスマートに、地球環境をサステナブルにするサービスを提供しています。

具体的には、お客様が使わなくなった家電や家具、日用品などを「エコ回収」で引き取らせて頂き、エコ回収した商品はすぐに、自社で運営しているネットオークションサイト「エコオク」に出品しています。そこで落札されると、落札額の半額がお客様にキャッシュバックされるか、環境・社会貢献団体、並びに被災地支援活動団体へ寄付させて頂く仕組みになっています。

落札されなかった商品は、自社の「エコランドのリサイクルショップ」目黒店・昭島店でリユース販売し、日本で需要の少ないモノは海外でリユース販売して喜んで使って頂いています。

また、リユースが難しいモノに関しては、自社の中間処理場「ゼロエミッションセンター」で分別・解体し再資源化までを担わせて頂いております。リサイクルも難しいモノに関しては、美大生やデザイナーさんと一緒にデザインを加え、新たな家具やアクセサリーなどのエコプロダクツを制作する「Re-arise(リアライズ)」という取り組みを行っています。

これら「エコランド」のビジネスモデルが、2009年にはグッドデザイン賞を受賞致しました。

Q.そもそもどうして『ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡』のスペシャル・パートナーになったのですか?

先ほどの質問でお答えした通り、弊社ではリユース・リサイクルが難しいモノに関しては、美大生やデザイナーさんと一緒にデザインを加え、新たな家具やアクセサリーなどのエコプロダクツを制作する「Re-arise(リアライズ)」という取り組みを行っています。そうした「ごみ」と呼ばれたものに新たなアイディアを加え、価値あるものに甦らせる。そうした共通する「想い」を映画に感じたため、スペシャル・パートナーとして協力させて頂きました。

Q.アジア諸国にも展開し、日本の家具や雑貨類をアジアに届ける活動もされているのですよね。

はい。現在は特にフィリピンやタイなど、東南アジアを中心に展開しています。
近くカンボジアにも展開していく目処が立ちつつあります。例え国内で流通しなくとも、日本で使用される品質の家具や雑貨類は、現地の方々にとっては非常に高品質なモノとして取り扱われ、重宝されています。グローバルな視点から、国内で需要のないモノを海外にお届けして使用して頂くことで、弊社の「ごみゼロ社会をつくる」という目的を達成できると考えております。

Q.フィリピンにもごみ山(スモーキーマウンテン)がありますね。映画の舞台、ブラジルと比べて現地はいかがでしょうか。

本映画の中に出てくるブラジルのごみ山では、大人がアートになっている内容だったので、子どもたちの姿があまり出てきませんでしたが、私がフィリピンへ行った時は、子どもたちがごみ山で当たり前のように生活をし、楽しんでいる姿をたくさん見てとても衝撃を受けました。その現状に衝撃を受けながらも、子どもたちがあまりにも楽しそうに笑顔で話しかけてくるので、こっちまで笑ってしまいました。この現状を社員にも見て、学んでほしいので、来年の社員旅行ではフィリピンのごみ山を行く計画をしています。

Q.映画と同じくチャリティーオークションにも取り組まれているそうですね?

はい。「エコオクチャリティオークション」では、落札額の全額を、出品者が応援したい団体に寄付させて頂いています。「使わなくなったモノで社会貢献ができる。」その事をもっと多くの方に知って頂きたく、弊社の取組に共感して頂いた著名人の方々に出品頂いております。

Q.寄付先はどのような団体なのでしょうか?

全国各地・世界各国で街の清掃活動をしている「特定非営利活動法人グリーンバード」や、プロアスリートの社会貢献団体をサポートする「NPO法人スターパワー」、障害者スポーツを応援する「Sports of Heart」など、様々な社会・環境問題に取り組む団体に寄付させて頂いています。

Q.ところで東日本大震災の時は、関東から東北にJ-WAVEの番組と連動して物資を集め、何十トンと運ばれたそうですね。

はい。弊社の経営理念のひとつに「環境にやさしく、社会のお役に立つ」があります。
この理念のもと、「物流会社として出来ることは何か?」と考えた結果、私たち物流会社の強みである「運ぶ」を活かし、震災直後からJ-WAVEラジオ様と救援物資を呼びかけ、弊社の倉庫で仕分けをした後に現地へお届けしました。
第1弾「モノ」(救援物資)のお届けでは、10,800人以上から送って頂いた、32,400個以上の物資170トン分を、合計37台のトラックで被災地へお届けしました。
第2弾「ヒト」(ボランティアスタッフ)のお届けでは、計3便、合計136名のボランティアスタッフを被災地にお運びし、瓦礫の撤去や田植え等の農業支援を行いました。
最後の第3弾「休日」のお届けでは、2011年7月2日、石巻市の小学校で、
夏服をお届けしたり、出張マッサージ、出張カフェ、アーティストによるライブを開催して、楽しい休日をお届けしました。その後も、美容師さんをお届けしたり、餃子の炊き出しをサポートしたり、「運ぶ」という面に関して今もサポートさせて頂いています。

Q.(回答を受けて)ヴィック・ムニーズ 本人は、震災後200万個以上世界中から集まった折り鶴を使い、東北の復興への願いを「祈り」という作品にしています。2014年にはヴィック・ムニーズ 本人が来日するそうなので、ぜひ一緒に東北のための行動を起こしたいですね!

はい、ぜひともご一緒させて頂きたいですね!

Q.最後に、こんな未来を作って行きたいというメッセージをお願いします!

私たちエコランドは、今まで「使わなくなったモノをエコ回収して、社会貢献のためにゴミゼロを目指す会社」から、「社会にとって、人にとって、豊かなライフスタイルを提案する会社」に生まれ変わりました。「そんなにいらない、Less is Beautiful. 」これがエコランドのコンセプトです。エコランドでは、少ないモノで美しく暮らす、ライフスタイルのエコシフトをお手伝いしていこうと考えています。そこから生まれたのが、お片づけサービスやお預かりサービスです。人々の生活に入って、スマートな暮らしをご提案していきます。そうした私たちが創ってきたコンテンツを、全国の物流会社と共に全国へ広げ、そして世界に広げて「エコランド」を発信していきたいと思っています。

高嶋 民仁(株式会社ウインローダー)
1996年慶應義塾大学法学部卒業。1999年株式会社ウインローダー取締役環境事業部長に就任。
その間、米国NorthCarolina州Waste Industries社で管理者としてインターンを受ける。
2009年に代表取締役社長に就任。循環型物流によるゴミゼロ社会を目指し、2004年からエコランド
事業をスタート。消費からさらに一歩先、リユースやリサイクルによる
廃棄物を出さない新しい物流「循環型物流」を日本全国・海外へ展開すべく日夜活動を続けている。