2014年2月7日、今年から東日本大震災で津波被害を受けた釜石・大槌などでアートプロジェクトを始める予定のヴィック・ムニーズが釜石を訪れ、彼がフィーチャーされたドキュメンタリー映画『ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡』の宝樹寺での上映前に招待された周辺住民の皆様の前でスピーチしました。
この映画は6年前に始めたアートプロジェクト「Waste Land」に関する映画です。
私は写真を撮るアーティストとして25年間アーティストとして活動しています。
アーティストを始めた頃は、アーティストになりたいと思ってやっていました。
しかしアーティストとなって20年。「アートとは何か」「アートは何が出来るのか」と問いかけるようになりました。
そしてアートに全く経験のなかった人と、どこにでもあるような材料を使って、一緒にアートを作るという実験を始めました。
彼らが普段扱っているゴミを材料に選びました。ビジュアルに訴えかけるものですが、見たくもないようなものです。
この映画から多くのことを私も学びました。
学んだ一つは、この映画に出てくる人々のようにものすごく難しい状況にいても、アートは物事を別の視点で見る機会をもたらすことができるということです。「ダイバージョン」はポルトガル語ではエンターテイメントを意味しますが、もうひとつの意味は別の道を意味します。
ですから一瞬でも自分自身の人生について別の視点で、光を照らしてみると、全く人生の見方が変わったのです。アートは彼らに希望を与えることができました。
私が経験した素晴らしいことは、何も存在しないと思える場所で、アートが彼らの人生に影響を与えられたということでした。
関根健次(訳)
ドキュメンタリー映画『ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡』
※写真左:ユナイテッドピープル代表関根 右:ヴィック・ムニーズ